「札幌黄」を麺にねりこんだワケ



昔の札幌ラーメンは鶏ガラや豚骨、野菜から取った澄んだスープに醤油味というのが定番で、毎日食べても飽きない滋味あふれる味わいでした。
その後、味噌味で有名なラーメン店がマスコミに取り上げられたことにより、「札幌ラーメンは味噌」と思われがちですが、札幌市内のラーメン店ではほとんど必ず「味噌、塩、醤油」の3味があります。
日本各地で数十年に渡りラーメンに関わってきた弊社代表が故郷・札幌に戻った時、商品開発のために札幌市内の有名店を食べ歩きました。
しかし、昔の「毎日食べても飽きない」滋味深いラーメンの味がなくなっていることに気づいたのです。
ラーメンの素材を一つ一つ分析した結果、昔と今では大きく違っていたのは、玉ねぎ。

1970年前半までは「札幌黄」玉ねぎがスープの素材に使われ、実にいい香りの甘くまろやかな味わいを出していたのです。
そこで当時の美味しさを復活させるべく試行錯誤のうえ誕生したのが、絶滅の危機に瀕した幻の玉ねぎ「札幌黄」を麺に練り込んだ生ラーメンです。
札幌黄を麺に練り込むことで、以下のメリットが生まれました。
①通常の麺に比べ、ゆで時間が短くて済む
②ゆで湯がにごらない
③生ラーメン特有のかんすい臭がしない
④麺のゆで湯が美味しいオニオンスープとして使える
⑤ゆでた後ものびにくく、驚くほど滑らかでコシのある食感が続く
⑥麺自体に札幌黄の甘みと旨味があり、スープとよく絡んで美味しい
この玉ねぎを麺に練り込むのはダテではなく、美味しい麺を作るための必然なのです。